神田はの部屋の前に立った


 「!飯持ってきたぜ!」

 「…………」

 「、開けてくれねぇか?手ふさがってんだ」

 「…………」

 「…;;」


 呼んでも返事はなく、中で動く気配もない…


 「ちっ…」


 軽く舌打ちして自分の分を下に置き、あいた手でドアを開けた















  













 「スー…スー……」

 「…?」


 中に入ると、ベッドで整った寝息を立てたがいた


 「寝てんのかよ…;(寝顔はいつもとかわんねぇな…)」

 「ん………?」

 「悪りぃ、起こしたか?ってか飯持ってきたぜ」

 「……!!?何だ貴様!」


 起きたが神田を見ていきなり叫んだ


 「……;;」


 「………神田…か……驚かせるな」


 そう言いゆっくり起き上がった


 「それはこっちのセリフだ」

 「飯、持ってきたか?」

 「あぁ」


 そう言い持っていた蕎麦をテーブルの上に置いた


 「寝れなかったんだ…昨日」

 「…?」

 「あれからお前が心配で……
 人を心配すること自体が今までなかったから、
 変な感じで、それ考えてたら余計に…」

 「俺のせいか…悪かったな…」



 「………神田…」

 「…何だ」


 「私はお前を知りたい。ちゃんと思い出したい」


 は神田の目をみてしっかりとした声で言った


 「!?(このままで良いと思っているのは俺だけだったのか…?)」


 の意外な言葉に神田は驚いた


 「こんな私、自分で酷く変だと思う。
 けど今、お前の知ってる私を知りたいと、戻りたいと…思う」

 「でも、頭痛くなんだろ?苦しい思いしてまで…」

 「あんなに記憶記憶と言っていたのに、神田は諦めたのか…」

 「…」

 「逆に私は諦められない…」

 「……俺は、が俺を受け入れたから、それでいいと思った…
 このままでも、そのうち前みたいなお前になるって思ったから
 そのほうが、お前も苦しまずにすむと…思ったから」

 「子供みたいな意見だな」

 「…年下に言われたかねぇな」

 「そういえば…私は本当は幾つだ?」

 「19だ」

 「神田は?」

 「18」

 「…そうか。なんか変な感じだな。5年も記憶がないのか…」


 は天井を向いて呟いた…


 「お前が、が思い出したいって言うんなら、俺は手伝う」


 「……」


 その言葉に、は天井を向いていた顔を神田に戻した


 「のためなら何でもする」

 「…神田は、私のことが好きなんだな」

 「な!…///」

 「図星か?こんなの、お前の発言と行動を見ていたら誰でもわかる」

 「……」


 「神田、私はどうしたら一番落ち着く?」

 「…落ち着く?」

 「リラックスして、思い出したいと思えば、
 自然と戻ってくるんじゃないかと思う…子供っぽい発想だがな」

 「そんなことねぇよ」

 「…!?」


 神田は優しくを包み込んだ


 「…」

 「神田…?」

 「これがお前が一番落ち着く方法だ」

 「……ぅん…そうみたいだな…」


 も神田を抱きしめ返す


 「少しの間、このままでいさせてくれ。神田」

 「あぁ」















 



07/08/12