「……


 神田はゆっくりの部屋の戸を開けた














  













 「私の前に現れるな…黒髪…」

 「!?」


 ベッドの上で壁にもたれあぐらをかいていた

 神田が部屋に入ってが発した第一声は、
 さすがの神田も想像付かなかった言葉だった

 顔を見たくないのか、顔は下を向いている


 「…なぜだ?」

 「………怖い」

 「怖い?」

 「…お前のことを考えると、頭が、熱くて…痛い…」

 「…(本人に反して何かを思い出そうとしてるのか…)」


 「お前は…なんなんだ……」

 「さぁな。それより、なぜ俺のことを考える?」


 あえて挑戦的に話しかける神田


 「……わからん」

 「何か思い出したのか?」

 「思い出さん。その気もないしな…」


 未だに下を向いて喋るに神田は近づく


 「…いつまで下を向いてる。
 人が嫌いでも人を見て話すことぐらい出来るだろ?」

 「…近づくな!黒髪!」

 「俺の名は神田だ。黒髪じゃねぇ」

 「黙れ!消すぞ!!」

 「殺りたきゃ殺ればいい。
 お前に殺されても、俺は別にそれでもいい」

 「!?お前は自分が何を言っているのかわかっているのか?」


 が勢いで顔を上げ神田の顔を見た瞬間


 「!!?…ぅ…」


 苦しそうに頭をおさえた


 「!?どうした?」

 「なんなんだ!なんなんだよいったい!この感じ」

 「大丈夫か?」


 そう神田がに手を伸ばすと


 「触るな!出て行け!!」


 大声で拒絶した

 それに神田は


 「断る」


 否定した


 「お前はなぜ私に構う!」

 「心配だから、じゃダメか?」

 「何が、心配なんだ。こんな私の何が心配なんだ」

 「記憶が消えることだ」

 「…白髪もお前も…記憶記憶と、ウザイ…ウザすぎる」

 「!?」


 は静かにベッドから降りて立ち上がった


 「落ち着いた」

 「?」

 「お前殺されてもいいって言ったな」

 「…;;」


 神田が怯むほどきつく睨んだはいつの間にか右手に発動した武器を持っていた


 「じゃあ死ね。お前がいなくなればこの変な感じもなくなるだろう」

 「どうだろうな。(…もしかして…これか…夢…)」

 「っ!」


 グサグサグサ!


 「…っ……!;;」


 神田の体に針のようなものが2・3本刺さった感覚が走った
 が、刺した物の形は見えない。のイノセンスの仕業だ…



 「死ぬのが怖くなったか?」


 神田が見たの顔はどことなく笑っていた


 「死ね」


 ザザザザザザザザザ!!


 「ぐぁぁあ!!は…っぁあああぁぁあ!!!」


 よけれたはずなのに、神田はわざとよけなかった

 神田の血がのほうにも飛び散る


 「抵抗なしか。気持ち悪い。それでもエクソシストか?」


 ドサッ


 攻撃を受けすぎて立つ力をなくした神田は、その場に座り込んだ


 「っ……ぅ…く……はぁ…ぅ…はあ…はぁ」


 「よく考えたらエクソシストはさすがに殺せないな
 もうやめとくか。よかったな。死ななくてすむぞ」

 「…はぁ……はぁ………」

 「?」

 「な……何か…っ……思いださねぇか?」

 「……?」

 「これ見て……っはぁ……っぅ……何か……感じねぇか?」


 夢と同じなら、どうか、思い出してくれと
 もうろうとする意識の中、必死にに話しかけた


 「……なに…か……!!?」


 私の部屋…血だらけの傷ついた男……
 私は、楽しそうに攻撃を……!!?


 突然フラッシュバックするかのように恐怖する自分の姿が流れ込んできた


 「ぁ……!?な…何だ!!?…なんだ…これは…」


 カチャン


 持っていた武器を落として、頭を抱える


 「何か…思い出したか…?」

 「わからん…わからん!!ただ……怯えてて…
 怖い…怖いと……そんな感情ばかり流れる………」

 「…ぅ……そう、か」

 「なんなんだ…」

 「…っ」




 「お前はなんなんだ!!お前は私のなんなんだ!!
 私は、お前の何なんだ………っ」




 強く、そして弱く神田に問う




 「ハ……っ…死んでも、教える…気はねぇよ…
 んなこと…自分で…っ……思い出せ…」


 「貴様ぁ!」


 「大事な…モノは、自分で…取り戻せよ。人に…たよ…る、な…」


 ドサッ


 「!?」


 神田はその場に倒れた


 「これで、少しは…安心したぜ……
 俺の…やったこと…間違ってなかった……
 賭けは…か…っ……た……」


 そのまま神田は動かなくなった。


 「息は…しているか……気を失っただけ……!?」


 一瞬自分の感情に驚いた


 「心配……私が…人を……本気で…」







 はこの状況に動揺しているのか、
 しばらくその場を動く事ができなかった














 



07/08/12