「おはようございます〜」


 神田に連れられ来た食堂。
 どうやら厨房っぽいところにいる人に注文するらしいので
 元気よくあいさつしてみた


 「あら〜ん!新入りさん?可愛い子!教団の華ね!
 私料理長のジェリー。よろしくね!何が食べたい?何でも作っちゃうわよ!」

 「ジェリー…さん…?私です!よろしくお願いします!」

 「あら…日本語?」

 「無駄話はいい。蕎麦だ」


 眉間にシワをよせながら二人の会話に割って入る神田


 「え!?もしかして神田とちゃん、一緒に朝食〜?」

 「うるせー。さっさと作れ」

 「えっと…私蕎麦食べたいんだけど……」

 「わかった。おい、こいつも蕎麦だ。さっさと作れ」

 「はいはい!そんなに急かさなくてもすぐ作るわよ」











  











 「ユウ変わらないね」

 「何がだ」

 「蕎麦好きなの」

 「…お前も変わってねぇ」

 「?」

 「蕎麦…」

 「うん!好きだもん!」


 今は食堂にて二人向かい合わせで蕎麦を食べている。


 「久々にユウと食事できてうれしいよ」

 「俺もだ。それにまさかこんな形で会うことになるとは思わなかった」

 「そりゃぁね…こんな偶然滅多にないよ……!?」


 「アラん!?これまた新入りさん?」


 は、ジェリーさんがさっきよりテンション高めで喋っていたのが
 聞こえたため振り向いて厨房の方を見てみた。


 「どうした?」

 「あの子も新人さん?」

 「…あぁ、あいつか。昨日来た。…何でわかった?」

 「え…ぁ…えと…;。なんとなくだよ!」

 「…?」


 「グラタンとポテトとドライカレーとマーボー豆腐とビーフシチューと
 ミートパイとカルパッチョとナシゴレンとチキンにポテトサラダとスコーンと
 クッパにトムヤンクンとライスあとデザートにマンゴープリンとみたらし団子20本で。全部量多めで」


 「あの子すごいね。たくさん注文してるよ。一人で食べるのかな…………ユウ?」


 白髪の少年をずっと見ていた。返事をしない神田が気になって、神田の方に向き直ったら…


 「何だとコラァ!!もういっぺん言ってみやがれ ああっ!!?」

 「おいやめろバズ!」


 「ぇ!?何……;;」


 神田の後ろの席にいた大きな人が怒っていた…
 少年に気を取られていて全く展開がつかめない…;;

 神田はパチンと箸を置いて、


 「うるせーな。  が気にしてなかったみたいだから我慢してたが、
 メシ食ってる時に後ろでメソメソ死んだ奴らの追悼されちゃ味がマズくなんだよ」


 「ユ…ユウ……喧嘩…?」


 その呟きは空しく……


 「テメェ…それが殉職した同志に言うセリフか!!」


 大きな人の言葉でかき消されてしまった


 「俺達 探索部隊はお前らエクソシストの下で
 命懸けでサポートしてやってるのに… それを…それを…っ」


 「……;;(こんな狭いところで喧嘩なんて…止めるべきなの…これ…
 でも気絶させちゃったりしたら大変だしな…この人大きいし…どのくらいの力で殴ればいいかな…;)」


 というようなことを考えていると…


 「メシがマズくなるだとーーーーー!!」


 「ぅわ!?ユウ危ない!…!?」


 大きな人が神田に殴りかかってきたため危ないと思い叫んだだったが……


 「うぐっ」


 殴りかかってきた腕をよけて、なおかつ片手で相手の首を絞めていた神田を見て、
 少し驚いた…。その反面、強くなったな〜ユウ、と少し感心していたのは秘密である…(笑)


 「『サポートしてやってる』だ?」

 「ユウ…;」

 「違げーだろ。サポートしかできねェんだろ
 お前らはイノセンスに選ばれなかったハズレ者だ」


 神田が首を絞める力を強くした…


 「げふっ…」


 「ちょっと…ユウ……やりすぎ…死んじゃう…」


 「死ぬのがイヤなら出てけよ
 お前ひとり分の命くらいいくらでも代わりはいる」

 「ユウってばやめてよ!ここ食堂よ!」



 ガッ


 「ぇ!?」


 その時赤い手が神田の手首を握った


 「ストップ 関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ。」


 赤い手の正体は、先ほどの白髪大食い少年だった


 「それに、彼女怯えてるじゃないですか。」

 「……」

 「…;;ぇ?」


 二人がを見た


 「ぁ…あははは…」


 とりあえず笑ってみた…。場違いなアクションであるのは承知の上…


 「………放せよモヤシ」

 「(モヤ…っ!?)アレンです」

 「はっ1か月でくたばらなかったら覚えてやるよ
 ここじゃパタパタ死んでいく奴が多いからな、こいつらみたいに」


 ギリギリギリギリ…


 アレンと名乗った少年は神田の腕を強く握った。
 そのせいで神田の手が緩み、首を絞められていた大きな人は、ずるっと落ちた。


 「だから そういう言い方はないでしょ」

 「早死にするぜお前…キライなタイプだ」

 「そりゃどうも」


 ごごごごごごごごごごご…



 「あ…あの…二人とも…」


 なんだか二人から炎のようなものが出ているのが見えるのですが…


 「それとな、こいつは別に争ってたから怯えてたわけじゃねぇ」

 「どういう意味ですか」

 「こいつはもっぱらの喧嘩好きだ。これくらいじゃビビらねぇ。
 こっちの言葉が通じねぇから状況が理解できなかっただけだろ。
 いちいち紳士ぶってんじゃねぇ。虫唾が走る」

 「そうですか。それはすみませんでした」


 ごごごごごごごごごごご…


 「…人を無視するのもたいがいにしてよ…;;」


 さっきより、ごごっと炎があがった気がしたが、
 そんなことは気にせず、今の状況に呆れている



 「あ いたいた! 神田!アレン!」

 「「!」」

 「?」


 遠くからリーバー班長が声をかけてきた。


 「10分でメシ食って司令室に来てくれ 任務だ。
 あーそれと神田。ちゃんも連れてきてくれ」


 「も任務か…来ていきなりだぞ…」

 「ユウ?」

 「もうメシ終わったか?」

 「あ…うん」

 「じゃあ行くぞ」

 「え?…あ…うん。わかった」


 はアレンに会釈だけして神田に付いて行った。


 「日本語…?それにしても喧嘩好きって…
 あんなに可愛いのに…。神田とはどういう関係なのかな…
 あ!こんなことしてる場合じゃ…早く食べて行かなきゃ!」


 アレンは急いで自分の食事が置いてある席へと戻った







  


07/05/25