と神田、トマはアレンのいる場所まで歩いていた














  













 「そういえば

 「何?」

 「お前一人で俺とモヤシ運んだんだってな。この距離」

 「そうだよ」

 「……」


 神田は一瞬口ごもる


 「?…何?」

 「…化け物だな…どこにそんな力隠してんだ」

 「は?…ちょっと何。いきなり失礼ねー」

 「…思ったことを言っただけだ」


 と言いつつどこかいつもと違う雰囲気の神田


 「…………!ユウ。素直になったら?」

 「!?」

 「本当に言いたいのそんなことじゃないでしょー」

 「……;;」


 は神田の思ってることを察し、
 確信をもった言い方で神田に言う


 「………ぃ…;」

 「ん?」

 「すまない。迷惑をかけた。…お前を守るはずが…」

 「……あのさー。んなこと聞いてないし」

 「!?」


 神田の口から出た言葉が自分が欲しかった言葉じゃなかったのか、
 はふてくされた顔で神田に言った

 そして悲しそうな顔をして…


 「謝られたくないよ。守られたいなんてちっとも思ってないし。
 そんなことユウよく知ってるじゃん。
 ってかユウより私の方が喧嘩やら勝負事の勝率遥かに高いんだし。
 まぁ、今思えば手加減してたんだろうけど…
 それでも、私を本気で守るって言うんなら勝率私よりも高くしてからにしてよ。
 喧嘩や勝負ならいつでも受けるよ」

 「……手加減なんてした覚えないぜ」

 「…?」

 「今はお前より強い自信がある…なんて言えねぇ。
 でも、たとえ弱くても守る努力はしてぇ。
 お前この世界に首突っ込んだばかりだし、
 言ってみれば俺は先輩だぜ」


 神田は少し優越感のあるような言い方で言う


 「は?先輩!?余計なお世話だよ〜!お節介なユウ何かやだ〜」


 が、見事に拒否られてしまった;


 「…;;」


 「だから、謝るんじゃなくて、本当にここで溜め込んでるもの出してよ」


 そういいは神田の左胸に手を当てた


 「………」

 「ほら!」

 「……ぁ…ありが、とう…」


 神田がぎこちなく言った


 「よく言えましたぁ!!」

 「!?子ども扱いするな!!」

 「昔と変わってないねーvv」

 「……っ;;」


 神田が言い返せないままでいると、がふと横を見た


 「あ!綺麗な花がたくさん咲いてる!
 ちょっと見てるから先行っててよ!」

 「はぁ!?何自分勝手な…」

 「綺麗だな〜〜」

 「……っ///」


 神田は女の子らしく花の臭いをかぐにちょっと頬を染めつつ、
 もう言っても無駄かとトマと先にアレンの所まで先に行く事にした


 「……ぁ!これもコムイさんに持って帰ろー!喜ぶかな〜。
 リナリーさんにももって帰ろ!」









+++




 「何寝てんだ。しっかり見張ってろ」

 「!」


 神田はアレンの座っている、ララのいる建物に続く階段を上がりながら言った。
 今も尚歌い続けるララの声がはっきりと聞こえる


 「あれ…?全治5ヶ月の人がなんでこんな所にいるんですか?」


 アレンは顔を伏せたまま言う


 「治った」


 アレンより少し下の段にドサッと座りながら言う神田


 「ウソでしょ…」

 「うるせェ」

 「さんに治してもらったんですか?」

 「あいつはイノセンス使いこなせてねぇよ」

 「あ…そうでしたね」

 「ぁ?」


 アレンの返事に疑問符を浮かべた神田


 「あれ。まだ聞いてなかったんですか?」

 「何をだ」

 「さんこっちの言葉話せますよ。しかもペラペラに」

 「………」

 「ぁ…言わない方がよかったかな…」

 「そういえばひっかかる所がいくつかあったな…」

 「結構ボロだしちゃったって昨日言ってましたよ」

 「…」

 「ってか言葉通じなかったら多分神田が気絶した後
 スムーズに事は運べなかったと思いますよ。」

 「何でずっと隠してたんだ…?」

 「それは本人から聞いてください」





 「ユウーー!」


 ちょうどいいタイミングで
 が花を片手に手を振って走ってきた


 「…」

 「見て!いっぱいつんで来た!コムイさんとリナリーさんの分も!!」


 楽しそうに大量の花を見せて来て
 花の臭いを嗅ぎ一人ではしゃいでいる


 「それ全部持って帰るのかよ」

 「うん!これもお土産!!」

 「…………」

 「ん?……ぁ…;;」


 確認したかったのか不意に英語で話しかけたら、
 相手が神田だったからか日本語だったが、
 即答で返事が返ってきた

 それにが焦る…


 「喋れるんだな」

 「ぇ…あ…えと……うん…;;」

 「さっきモヤシから聞いた」

 「……」


 全て英語で話してくる神田に押されつつも、
 一応返事だけはした


 「はぁ…怒らねぇから。んな困った顔するな」

 「…自分でばらす前にバレちゃったんだね…。ありがとうアレン君」


 はアレンの方まで歩きながら言った
 言葉はもちろん英語


 「ぇ?悪いことしちゃったかな…って思ってたんですけど…」


 アレンはの方を向き言う


 「うんぅ。私、言い出せなくて困ってたの。助かったよ」


 トンッとアレンの横に座る


 「…(何で隣にすわるんだ…)

 「?」

 「何で隠してたんだ?」

 「……別に、大した理由はないけど………」



 は理由を話し出した











 



07/08/19