「これは…いったい…」



 少女は無傷で立っていた…

 いや、無傷というよりか、

 物凄い回復スピードのため、今は無傷の状態

 そのため無傷にも関わらず衣服はボロボロ…

 ちなみに少女が着ているのは丈の長い和服。


 今少女がいるのは、たった今化け物によって荒らされた地の上…

 そして目の前にはその化け物を倒した…黒い服を身にまとった青年…




 「俺と一緒に来るさ。黒の教団まで」

 「…?」

 「あんたはたぶん、そのイノセンスの適合者さ。」

 「……」



 青年は、少女が胸に付けていた光る飾り物を見て言った



 「あんたは、エクソシストなんさ」

 「エクソ…シス…ト?」





 どこかで聞いたことのある響き…

 ずっとずっと前に…

 確かに聞いたことのある……言葉……

 どこで聞いたのだろう……












 …あぁ…あれは……君と会えなくなった日に聞いた………………





















 「ここが、黒の教団さ。」

 「………」

 「コムイー。適合者の子連れて来たさー」

 「?」


 オレンジ髪の青年、ラビが、飛んでいる黒い物体に話しかけていた…



++++


 「室長!ラビが帰って来ましたよー。例の娘もいます」

 「そいかそうか〜。どれどれ〜……!?
 か!か〜わゅ〜いvvv!!…!
 いやいや、もちろんリナリーの方がもっともっと可愛いけどねーv
 このムサい教団にまたひとつ華が増えるんだね〜。僕は嬉しいよ〜!!」

 「兄さん…;」

 「……室長…;;」


++++



 「ムサいって…」

 「……」

 ゴーレムを見ながらコムイの発言に少し引くラビ…


 「あの…」

 「あ…ごめんごめん…」

 「……」


 少女は日本人なので英語が通じない…と思われる。
 実際ここに来るまで一言も話さなかったし、
 何か発したとしても日本語…
 それにラビが話しかけても答えなかった。

 勢いでしゃべったコムイの発言など聞き取れるはずがないと、
 内心ホッとしつつ、とりあえず謝っておく



 『おい!騒がしいぞ!何やってんだ』

 『あ〜神田くんか〜。可愛い新入りさんが来たんだよ〜』

 『朝っぱらから…また新入りかよ』



 ふと聞き覚えのある声が黒い物体から聞こえた



 「!?この声……神田…?もしかして……ユウ?ユウなの?」

 「え!?ユウ……って…。ユウ知ってるんさ?」

 『!?お前っ…何でこんな所に…』


 ユウと呼ばれた青年は、モニターを見て驚きの表情を浮かべている
 話す言葉はもちろん日本語


 「…エクソシストがどうのって…彼が…」

 『ラビか…』

 「この子適合者なんさ。たぶん」

 『適合者…!?』

 『はいは〜い。話しは後ね〜。取りあえず身体検査受けて〜』

 「あいあいさー!」

 「……」

 「ちょっと怖いかもしんないけど大丈夫だから」

 「?」

 「んじゃ門番よろしくー!」



 グォワ!!



 「ヒッ!?」

 「レントゲン検査!アクマか人間か判別!!」

 突然伸びて来た首(?)、そして光に照らされて、
 少女はひどく驚いていた。まあ無理はないのだが…





++++


 「神田く〜ん。君も隅に置けないね〜。」

 「何の話だ」

 「だってだって〜!あんな可愛い娘と知り合いだなんて〜。羨ましいな〜」

 「それ以上言うと切るぞ」

 「や…やだな〜。神田く〜ん。冗談だって〜;」


++++





 「セーフ!こいつ人間!」

 「な…何?」

 『ったりめーだろ!失礼な言い方してんじゃねー!門番!』

 「うるせーこれが俺の言い方だ。」

 「…?」

 「ハハ…取りあえず門開けるさ…」

 「ん?かいも〜ん!」









 この門が開いた瞬間から、私の新しい人生が幕を開けた。






 

07/05/10