ザーーーーー




 「ヒッ…ヒクッ…」




 ザーーーーー






 深い森に、少女が一人、土砂降りの雨の中泣きながらたたずんでいた…




























 「ヒクッ…どうして…よ………ッ…」



 少女の心は今の天気と同じ…雨…。



 「あんなに……優しく…してくれた…のに…」







 失恋―






 少女はエクソシスト。
 少女の恋人だった人はファインダー。




 あっけなかった…




 『俺たちはつりあわない。もう無理だ。別れよう』




 彼から言われた言葉。少女は、抵抗せずに…うなずいた。
 エクソシストとかファインダーとか、関係ないと思ってた。
 でも彼は負担に思っていた…

 認めたくなかった…。だから今こうして、雨に紛れて涙を流している…



 「ヒク…ッ…ゥ…私…これから…どうしたら…」








 「おい。そこで何やってんだ」


 「!?」


 場所が場所なので声を掛けられたことに驚き振り向いたら…



 「神田くん…」

 「お前…か…!?」


 声をかけた方も誰かわからなかったので、
 相手を確認し、そして今の相手の状況を見て驚いた


 「あ…えと……っ。なんで…こんなとこに…?」

 「俺は鍛練をやってた。それよりお前は何してんだ?ずぶ濡れじゃねーか。それに……っ」


 泣いてるじゃねーかと言おうとしたが、傷つけてしまってはいけないと思い言うのをやめた。


 「…気…使わなくて…いい…よ…」

 「…何があった」

 「……………」


 は俯いて黙った…


 「言いたくなければ言わなくていい。とりあえず戻るぞ。こんな所にいたら風邪引く」


 神田がそう言いながらに近付いたら、


 「フラ…れたの…」

 「!?」

 「なんかね…私たちは…つりあわないん…だって……」

 「……」

 「私は…立場とか…関係ないと思ってたのに…」


 がファインダーと付き合っているのは誰もが知っていた。
 この様素だとついさっきの事なのだろう。


 「ほんとに…突然で…びっくり…したよ…。
 昨日まで…すごく…優しく…して…くれ…ヒクッ…たの…に……ヒクッ…」


 押さえていたものがボロボロとあふれ出て雨と一緒に流れ落ちる。


 「……!?」

 「私…これから…どう…ヒクッ…した…ら」

 「……」

 「!?…か…んだ…くん?」


 神田が、雨で冷えたの体をそっと包みこんだ


 「不幸なお前には悪いが、今のお前は俺にとって都合がいい」

 「それ…どういう……」

 「失恋した後の女は脆いらしいからな」

 「………?」

 「俺は、があいつと付き合う前から、のことを見ていた」


 「ぇ!?」

 「俺はあいつとは違って、つりあうぜ」

 「神田くん…」

 「俺は、のこと守ってやれる。泣かせたりなんかしねぇ」

 「…………うん…ありがとう……」






 いつの間にか雨は止んでいた…






 「……」

 「雨…止んだね」

 「あぁ」

 「ついて…行ってみようかな」

 「!」

 「神田くんの言う通り、今の私は脆いから…
 誰かに守ってほしいのかもしれない…」

 「そうか」

 「守ってね。壊れないように」

 「当然だ」









 『雨が降ったら…、次は晴れるって決まってるんだ。』
 誰かがそう言ってた。それは自然の決まりごと。

 人の心もそう。暗い事があれば、次は明るい事が待ってるもの。

 今日の天気は、まるで私の心を表したかのように変化していった。

 これからは君についていく。君と、戦うよ。君の言葉を信じてみたいから。

 今のこの、虹のかかった綺麗な空のように、明るく生きたいから。










 ありがとう…




 この繊細な心が、また壊れてしまわないように…




 しっかり守ってください








 これから、よろしくね









〜〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

シリアスから明るくなる話スキです。
書いてると勝手にそんな内容になっていくんですよね〜

恋愛というものをしたことのない私…
失恋話とかよく書く気になったなって感じです。。


07/05/21