私は生ける人形…

 ご主人様の命令なしには何もできない…何もさせてくれない…


 「おいで。。」

 「はい。ご主人様」


 そして呼ばれれば身体をメチャクチャにされるだけ…
 私に拒否権は…もちろんない…


 「…………」

 「ご主人…様?」








  








 ある日ご主人様はアクマとなって帰って来た。
 気付かぬうちに、私はご主人様を壊していた…
 初めて、ご主人様の命令なしに動いた瞬間…


 「君!エクソシストさ?」

 「…なんのことでしょう?」


 アクマによって壊された家屋…
 その中にいた私に、オレンジ色の髪が眩しい、白黒の服を着た青年が声をかけた。


 「それ、イノセンスじゃねーんさ?」

 「……」


 青年が指差した所を見たら…


 「……これは…なに…」


 右足が、変形していて、まるで武器のよう…


 「適合者なんさぁ!寄生型かな…」

 「?さっきから何を言っているのかわからないのですが」

 「あ〜。話すと長くなりそうだから、とりあえず一緒に来るさ!」

 「それは無理です」

 「え?」

 「私はご主人様の命令なしに動くことはできない…けがれた人形なんです…。
 …ご主人様は…私のせいで亡くなってしまいましたから…あとはここで死を待つのみです…」


 青年は少し考えるような仕草をしてから


 「大丈夫!もう君は自由さ!」


 私にそう言った


 「……ジユウ?」





 変だと思ってたんさ。
 今この子がいる場所は恐らくこの子の家。
 こんなデッカイ敷地に住んでてこんな粗末なカッコさせられてるのはおかしいと思ったら…。
 酷い扱いされてたんさ…。この子は幸せも、自由すら知らないんさ…
 なんかわかんねーけど…すげぇ守ってやりてぇ。
 この子の瞳は、無意識に『助けて』って言ってるようにしか見えない…



 「そうさ!自由さ!もう君にご主人様はいないさ!」

 「……」

 「俺ラビ!君、名前は?」

 「…です」

 「ちゃんか。可愛い名前さ」



 「…あなたは……私にジユウをくれたかもしれない…
 でも私は一人では何もできない…。
 …あなたに着いて行ってもいいのですか?」

 「もちろんさ!それにエクソシストかもしんねーしな」

 「そうですか。では一生あなたに着いて行きます」

 「おぅ!俺もちゃんのこと一生守ってやるさ!」



 私に、明るく手を差し出したラビ。
 私はその手をとって、そして二人でこの荒れた地を後にした…

 これからはこの人…ラビと生きていく…
 ラビは私にジユウをくれた…けれども私はジユウを知らない…。
 だから、これからはラビが私のご主人様…。





 本当の『自由』を知るその日まで……







〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

また暗い話だ…
タイトルめっちゃ未来を感じるのに…
まあいっか。コレが私のスタイルだ!(威張んな!)

お題でラビは書けるけど…
実際自分で作るのはラビは難しい…
なんか全て神田かアレンの方へ思考がいっちゃうんだよな…
頑張んなきゃ。。


07/05/23