小高い丘の上で、少女が一人静かに涙をながしながら海を見ていた…



 「…………どうして…」



 「おい!もう出発するぞ」


 後ろから神田が声をかけた


 「!?うん。…今行く」

 「…!どうした。何かあったのか?」


 神田はの顔を見て言った


 「な…なんでもない」

 「泣いてるのか…?」








 「ばか…。





 泣いてなんか…」










 「お前が泣いてるのなんか初めて見た…」

 「だから泣いてないって!ほら、行くよ!
 ティエドール元帥とマリ、待ってるんでしょ」


 は神田の横を早足で通った


 「何があった」

 「……」


 神田の声を聞き、は足を止めた


 「俺にも…言えないのか…?」


 は神田を見た


 「……。エクソシストが任務中に泣くなんて恥よ…。忘れて」


 そういうを、真剣な表情のまま見る神田


 「あんたのその目…嫌いよ…」

  「……」


 観念したのか、は一息ついてからしゃべりだした


 「……アレン君がね、死んだかもしれないの…」

 「!?モヤシが?」

 「風の噂で聞いた…」

 「……」


 思いも寄らない内容で神田は驚いた


 「デイシャが死んで……アレン君まで死んで…。
 仲良くしてた人達が立て続けにこんなのって…いくら私だって耐えられない」

 「…」

 「デイシャが死んだ時…すごく泣きたかった。
 でも、いつ何処が戦場になるかわからない今、泣いてられないし、
 入団した時から、エクソシストが泣くのは恥だと思って生きて来たから…」

 「恥なんかじゃねーよ。」


 神田は呆れ顔で言った


 「!」

 「そういうのため込んでいざと言う時に役立たずになってくれるほうが、
 こっちとしては迷惑だ。は、元帥抜きにしてこの部隊で一番の戦力なんだからな」

 「神田…」

 「泣きたい時に泣いとけ。誰も責めたりしねーよ」

 「…うん…」

 「モヤシなら生きてるだろ。簡単なことじゃ死なねーよ。あいつは」

 「!?…神田、早死にするとか言ってたじゃない。意外と認めてたんだ」

 「ち…ちげーよ…。お前を励ますために言っただけだ。」

 「そっか。ありがとう!」

 「……///」

 「ほらほら!早く行かないと二人とも待ってるよ!」


 そう言いは走り出した


 「ぁ…おい!待てよ」

 「二人の所まで競争!罰ゲームありねー!」

 「は!?なんで罰ゲームなんだよ!」

 「なーんとなくねー」

 「ったく勝手な奴だな…」








 エクソシストだって人間だもの。

 泣きたい時に泣いてよかったんだね…

 じゃあこんどからは、君の胸の中で泣かせてもらうよ

 泣き顔なんて誰にも見られたくないから







〜〜〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アレンがティキにやられちゃったあとの話し。
ティエドール部隊にヒロインを入れてみました〜
しかもかなり強い人設定…。
神田との関係はご想像にお任せ!

07/07/05