ある日、は意識不明の重傷を負って教団へ帰って来た。













  













 「!!」


 その情報を聞き付けて、急いでのもとに駆け付けて来たのは神田だった。
 急ぐと言っても、任務に出ていたためが意識不明になってから3日後のこと…


 「落ち着いて神田くん!」

 「!?コムイ。これが落ち着いていられるかよ!!」

 「だからって焦っても何にも起こらないよ」

 「……」

 「ある程度の処置はしたから。あとはちゃん次第だよ。
 いつ目を覚ますかはわからない…」

 「………」


 神田はの寝ているベッドに近付き手を握った


 「できるだけ神田くんには任務を回さないようにするから、
 ちゃんの側にいてあげてくれないかな。
 目が覚めた時ちゃんが始めに見たい顔だと思うから」

 「…あぁ」


 そのままコムイは静かに病室から出て行った。

 神田はベッドの際に置いてあるイスに座った


 「………」





 『帰った時一番に神田君にあいさつできますように!じゃ、言って来ます!』

 『あぁ。暇だったら地下水路まで向かえに行ってやる』

 『ありがとう!』





 が任務に行く前の、いつもと変わらない他愛ない会話…



 「お前、いつだっけか言ってたよな…」


 神田は、静かに寝ているを見て言う


 「もし、お前があいさつのできない状態でここに戻って来たら、
 その時は自分を責めたりしないで、
 辛い気持ちになってもちゃんとリセットして任務に励めって。
 エクソシストはアクマを破壊するのが仕事だからって…」

 「………」

 「…無理だ…んなこと…」

 「………」

 「俺が一緒に任務に出てればとか、
 何でがこんなめに会わなきゃならねぇんだとか…
 今そんなことばっか考えちまってる…」

 「………」

 「任務なんて…まともにできねーよ…きっと」

 「………」


 「…何か喋ろよ…いつもならうるさいくらい喋るくせによ」


 神田がいくら話しかけても返事は返って来ない…


 「頼むから、目を覚ませ…」


 神田はの手を強く握った








+++





 「……ん……朝?寝ちまったのか…」


 目が覚めたら窓からは陽の光が差し込んでいた


 「……!?」


 昨夜からずっと握っていた手が、今少し握り返された気がした


 「…?」

 「………」

 「気のせい…か…」

 「温かい…」

 「!?」

 「誰…?」


 天井を見たままは問いかけた


 「!?俺だ!わかるか?」

 「神田君?…ぁ、本当だ。神田君だ」

 「お前、意識不明で3日間寝てたんだぞ。」

 「そうなんだ…」

 「心配させるな」

 「ごめん。……ありがとう」

 「?」

 「ずっと手、握っててくれたんだよね?」

 「あぁ。俺にできることはそれくらいしかないから」

 「さっきまでね、真っ暗闇だったの。ずっと。でもね、光が差したの。」

 「光?」

 「うん。そこから手が伸びて来て、行くな、戻って来いって。
 私の手を取って、光へ引っ張ってくれた。とっても温かかった」

 「そうか」

 「その手、神田君だったんだね」

 「俺の手?」

 「うん。だって温かい」


 今も握られている手を、より強く握り、笑顔で言った

 つられて神田も少し微笑んだ




 「ありがとう神田君。



 ただいま」




 「あぁ。おかえり」




〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめ死ネタにしようと思ったんです。
けどそう簡単にキャラとかヒロイン殺したくないので
こんな内容になりました。
生きててよかった!!

07/07/05