哀しみに生まれるもの…






 それは…





 『AKUMA』









  








 「どうです?エクソシストv大好きな彼に会いたくありませんカ?」


 愛しい人を亡くした私のもとに、千年伯爵が現れた…


 「ふざけんじゃないわよ……会いたいに…決まってるじゃない…」

 「じゃあァv」

 「バカ言わないで…アクマになんてさせないわよ。あたしはエクソシストよ…」

 「でもエクソシストである前にキミは人間ですヨv」

 「……」

 「名前を呼べば、戻って来ますヨv」

 「…ぁ…あたしは……あたし…は…」

 「さァv」





 …負け…た……



 わかっているはずなのに…


 戻ってこないなんて…わかっているはずなのに……












 名前を…呼ぼうか…









 「……」




 バーンッ!




 「!?」


 口を開いた瞬間…
 目の前の黒々しい人形は破壊された…


 「もう少しだったんですけどネvどうやら邪魔が入ったようでス。
 しかたないので今日はこれで失礼しまス」


 「…」


 「さん!何やってるんですか!」

 「アレン…」


 私の前にはアレンが立っていた…
 どうやらアレンが壊してくれたみたい…


 「さん…どうしてアクマを…」

 「負けた…から…」

 「負けた?」

 「自分に…負けたから……彼に…会いたかった…
 会えないって…不幸になるってわかってても…会える気がしたから…」

 「さんはエクソシストですよ。アクマを作る手伝いをしてどうするんですか」

 「アレンだって、マナって人アクマにしたんでしょ…」

 「…っ…それは…昔の話です…」

 「今も昔も…同じよ…私たちは、エクソシストである前に人間なんだから…」

 「今と昔では違いますよ。今は…エクソシストになってからは、
 アクマがどれだけ哀しいものかを知ったはずです。」

 「………そうね」

 「哀しいことを…一人で背負い込まないでください。」


 アレンは少し震えた声で言った…


 「…アレン?」

 「僕たちは仲間ですよ。みんなで分けあいましょう」

 「……」

 「さんがアクマの皮になって帰って来ることなんて、誰も望んでいませんよ」

 「…アレン」


 「帰りましょう。ホームへ」


 「…ありがとう」


 「ほら。みんな待ってますよ」


 アレンが微笑みながら差し出した手に、
 そっと触れて、握って、ホームへとゆっくり歩いた。








 哀しみに生まれるもの…


 それはAKUMA
 そしてより深い哀しみと辛さと…不幸



 その連鎖は断ち切る事はできない。
 だから私たちはアクマを壊す。




 哀しみを抑えることができるとしたら、
 それは哀しみを分かち合える仲間が側にいてくれる事だと、私は思う。







〜〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

彼が死んでしまいました…
彼はエクソシストではありません。
という設定ということで。
ヒロインは殺してしまっても
Dグレのメインメンバーは極力殺したくありませんので;;


07/05/24