彼はエクソシスト。

 彼は私の恋仲の人。

 会えないと分かってる。

 私もそちらへ行きたい。

 手紙を出しても、来るなの一言。









  








 彼がエクソシストになって、いったい幾年の月日がたったのでしょう。
 彼と会えなくなって、何度さびしいと思ったでしょう。


 「ユウ・・・。」

 満月の夜空の何処かで貴方様は、
 命に関わるお仕事をなさっているのですか?

 そう考えてしまうと、満月が美しく見えなくなる。


 「会いたい。・・・・恋しいです。」


 会いに行こう。






 「おいコムイッ!!」

 「んごーーーっ」(寝)

 「六幻・・・・・抜刀。」

 「やぁ☆おはよう神田くん!」

 「アイツからの手紙は。」

 「んーっとねぇ。」

 ガサゴソと探すのは上司のコムイ・リー。
 偉い地位についているがそれほど偉く見えるのは任務の説明の時だけ。

 シスコンだからな。

 「君のはーっと。・・・・あった!」

 和柄な封筒に包まれていて、
 dear:Kanda Yuと書かれていた。

 『近々私もそちらへ行けるようです。』




 は?




 「何て書いてある?日本語で読めないよー漢文ならまだしもぉー」

 「コムイ・・・この手紙はいつ出された?」

 封筒の切手の数字を見る。 10月1日。丁度一ヶ月前に出されている事が分かった。


 「それがどうしたの?」

 「一ヶ月・・・・という事はそろそろこっちに着く頃か?
 だが、危険だと何度も言ったはずだ。」

 「彼女来るの!?どうしてどうして!?会いに?良かったじゃーん♪」


 でも彼女が来れる理由は
 エクソシストになれたか、
 探索部隊志願ぐらいしか・・・・・



 『すみませーん!』

 何語か分からない言葉がモニターから聞こえてくる。
 だが神田はすぐに分かった。

 かのじょだ。

 が着てしまったのだ。


 「あんの女っ!」

 「あ神田くーん・・・・行っちゃった・・・」

 「どうします?」

 「それよりリーバー班長コージー」

 「自分で淹れろ」

 「ケチ」









 「すみません!すみません!すっみっまっせーん!!!」

 「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 うえから声が聞こえ見上げると、門らしきところに
 人がいた。
 見慣れた姿。

 彼だ

 夢じゃない。



 「ユウ!!」

 「!お前来るなって言っただろう!?」

 「それがですねー。ユウと同じエクソシストになれまして。」

 「イノセンスは?」

 「三味線。」

 「あれか。」

 「そう。あれがイノセンスって言うのだったの。」

 「ふーん。」

 何だよ、何だよ感動の再会だって言うのに。
 ユウったらそっけない。


 「ユウ、綺麗ね。」

 「それを言われるのはお前だろ。俺は男だ」

 「お褒めの言葉として受け取っときます。」

 「そうしろっ!」

 ズカズカとユウは歩いてくるとそっとコートを掛けてくれた。
 教団の団服だけど。ちょっと暖かかった。


 「此処まで寒かったろ。」

 「ユウが一緒に入ってくれたら、もっと暖かいんですが」

 「ハッ冗談じゃねぇ。誰が入るかっ!」

 「あー酷いっ!久しぶりに会えたのにっ!!うっ!うぇっ」(泣)

 「あっ!おい泣くなよっ」(汗)


 神田はを抱き締め、
 背中をポンポンと叩く。


 「長かったよぉ・・・」(泣)

 「あぁ・・・御疲れ。」






 モニタールーム

 「いつまでバカップルの事みなきゃいけないんですか?」

 「アレン君君が気に入ったんだね・・・?」

 「気に入らない男なんているんですか?!」

 ぎゃーぎゃーと騒ぐのは男ども。
 リナリーは神田に青春がきたと思うと、涙ぐんでいる。


 「は俺のさー!ユウから絶対奪ってやるさー!」

 「そうはさせません。僕が一歩リードさせてやります。」


 『お前ら駄々漏れなんだよ!!!馬鹿野郎ーーーー!!!』
 『変な黒い鳥から声が・・・』


 「うわっ!回線切ろうさっ!ユウの悪口言えなくなるさっ!」

 「そうですね!」

 ブチチッと思いっきり嫌な音がして回線が
 切れた。




 「ユウ!今までユウが送ってきてくれた手紙全部持ってきたの!」

 「俺だって毎月楽しみにしてたぞ。」

 「ほんとう!?嬉しいw」

 「ずっと一緒だ。」

 「うん。ずっと一緒。」



 月に照らされた二人はとても美しかった。






〜〜〜〜コメント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

相互記念に、『A chain of a dream』の鈴・紗欄様から頂いた作品!!
手紙のやりとりなんてとても素敵です!!
手紙を待っている神田も書いてる神田も、想像するとなんだか可愛らしい光景vv
教団入ってからは手紙のやりとりがなくなりますね…
その代わりヒロイン争奪戦が絶えなさそう(笑)
鈴・紗欄様、素敵な作品ありがとうございました!!!

鈴・紗欄様のサイトはこちら→A chain of a dream

08/03/20